『動物の足跡学入門』 熊谷さとし ハクビシンのまとめ

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ハクビシン

外国からつれてこられて野生化し、今ではすっかり日本の野山に定着してしまった外来動物だ。

元々は東南アジア原産のジャコウネコ科の動物で、鼻づらに白い線があるため「白鼻芯」と呼ばれる。

なぜ、野生化してしまったかというと、昭和の初め、当時の農林省が東北地方の農家に対して、農業のほかに副業として、外国に毛皮を輸出するためにタヌキの養殖をするように奨励したことに始まる。




これがそこそこあたり、毛皮長者も出てきたために、全国的にタヌキ養殖ブームが起きた。

そこにインチキな商売人が目をつけ、東南アジアから連れてきたハクビシンに「タイワンダヌキ」あるいは「ハクモウテン」というかってな名前をつけて、農家に売りつけたのだ。

やがて日本は、日中戦争から太平洋戦争という、長い戦争の時代へと突入する。

中国北部やシベリアに向かう兵隊のために、ますます毛皮の需要が高まり、毛皮産業が盛んになった。そのためにタヌキ・ハクビシン以外に、南アメリカ原産のヌートリアやマスクラットといった、大ネズミまで飼育するようになる。


そのうちに戦争が激しくなり日本の敗色が濃くなると、農家ではハクビシンの飼育どころではなくなった。世話もおろそかになり、小屋が壊れても修理さえしなくなる。

こうしてハクビシンやヌートリア、マスクラットが逃げ出し、野生化した。


ハクビシンと出会う

・足跡を探す

足跡は前後とも5本指なのだが、前後で形が違っているし、誰でもわかる特徴がいくつもあるので、足跡を勉強するには一番いい教材になる。

前足は中指を中心にしてきれいな半円を描き、しょ球は4つに割れ、手根球が大きく2つに割れている。

木登りが得意なわけはこの割れたしょ球にあって、シワシワの間に枝を挟みこんでしまうのだ。

後ろ足はまるで人間の足裏のようで、そのために人間の赤ん坊の生まれ変わりとされ、今でも殺すのを嫌がる地方もあるという。

後ろ足にも、木に登るための秘密があって、中指と薬指がくっついているように見える(※実際は癒着していない)のがわかるだろうか?
でもって、カカトの部分がザラザラの粗面状になっていて、剛毛が生えている。
つまり、人差し指と中指の間から粗面状のザラザラにかけて枝をはさむのだ。
従って、人差し指と中指の間が広がってしまい、中指と薬指がくっついて近くなってしまった。

地面についた足跡では爪痕がハッキリしないけれど、石こう型をとってみるとわずかだが、爪痕が残っている。

フンについては、「これぞ!」というモノを見たことがないので、詳しくは知らない。


・ミカンの食痕

ミカンの産地に行くと、ミカン畑にはハクビシンの食べたあとが残る木が見つかる。

どうしてわかるかというと、ミカンを手でもがず、まるでパン食い競争をしているかのように、口だけを使って食べるからだ。
そのため、ミカンの皮のヘタの一部だけが枝に残り、遠くから見ると、まるで白い花が咲いたように見えるのだ。

以上202P~205P




※足跡(右前足)                          ※足跡(右後ろ足)

なるほど、後ろ足の足跡は、人間のそれと似ていますね。




しょ行性

かかとまでベッタリつけて歩く動物を「しょ行性」という。

歩く時はかかとまでつけるけれど、走る時はかかとがつかなくなる。

指先の器用な動物が多く、別の言い方をすれば「手・足を走ることだけに使っていない」
とも言える。

クマ・アナグマ・アライグマ・ハクビシン・カワウソなど

26Pより


夏の暑さで死んでしまったニワトリが、鶏舎の外に野積みされているから、キツネをはじめとしてタヌキやハクビシンもやってくる。(P92)

夜、キツネやハクビシンにライトを向けると、目が緑色に光る。(P187)

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